2024年、全国で初めて、地域独自の「小樽おもてなし認証」制度が誕生。その栄えある第1回目の認証を受けた小樽市内の企業や団体、店舗にインタビューを行い、その業種やお店ならではの「おもてなし」について語ってもらいます。
四季折々の日本海を眺めることができる「ホテルノイシュロス小樽」。絶景を楽しみながらの露天風呂や、旬の食材による創作フレンチを味わう時間は、まさに非日常といえるでしょう。
そんなノイシュロス小樽のおもてなしは、「思い出の1ページに残る時間になるように」という想いで、徹底し行われています。「例えば、チェックインの際に“今日、誕生日なんです”というお客さまがいれば、ドリンクのサービスや可能な限りお部屋のグレードアップを行います」と語る宿泊支配人の里館 忠幸さん。このようなサービスは、各スタッフの裁量に任されているそうです。
時には、“ホテル内でプロポーズをしたい”というお客さまから事前に相談を受け、スタッフと共に演出を考えることも。ベッドの上に薔薇でハートマークを描いたり、お食事のフードカバーを取ると指輪が現れたり…。聞いているだけでもワクワクするような演出を、スタッフ協力のもと行うそうです。また、急病で深夜に救急病院へ行かれたお客さまをお迎えに行ったり、戻って来た際にはあたたかなお夜食を提供したり…。素敵な「非日常の空間」でありながら、あたたかな心通うおもてなしも行われているんです。
「ホテルの語源は、ラテン語のhospes(ホスピス)。ここから派生した「hospitalis(ホスピタリス)」は「手厚いもてなし」なんですよ」と里館支配人。支配人自身も、「たまたまホテルから駅までの送迎ドライバーを担当した時、カップルお一組様だけだったので、祝津から北一硝子辺りまで、小樽の歴史の話などガイドしながら送迎したんです。暇だった若い時に、図書館で勉強していた小樽の歴史が役立ちました(笑)」と嬉しそうに話してくれました。そのように、日々「一期一会」を大切にしながら業務にあたっているそうです。
また、ホテルノイシュロス小樽では、地元・小樽や後志の食材を使ったフランス料理もお楽しみの1つ。アレルギーの対応はもちろんのこと、「和食」を好まれる方には油を控え、和風のような味わいのソースをお出ししたり、連泊のお客さまに飽きさせないよう、毎日趣向を変えて料理を楽しんでいただいたり…。とにかく、お客さまファーストのおもてなしを心掛けているそうです。当然、大満足をされる方がほとんどで、毎年の大晦日の予約は、リピーターで半分近くは埋まるのだとか! 皆さん、チェックアウトの元日や2日に、次回の予約を入れて帰られるそうです。
美しい自然に囲まれた非日常のホテルであっても、大切なのはあたたかで心を尽くしたおもてなし。そのおもてなしによって、「人と人との心通う瞬間」が、ホテルノイシュロス小樽には日々生まれているのでしょう。